| MIRAGE | WORLD |
『夢と現実の危険な関係』
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この作品は、私が今まで製作した作品と比べるとかなり毛色が違うものとなっています。 きっかけは、私の身近で起きた一つの事件です。それは、私の年下の友人であった一人の女の子が、親のお金を盗んだというものでした。盗んだ動機は「漫画を買うため」。これは自分の描いた漫画をその子に見せたことがある私にとってはショックでした。 どうも、その子にとっては思い通りにならない現実の世界よりも、自分の欲望を自由に満たしてくれるような漫画の世界の方が大切になってしまっていたようです。 確かに夢や空想の世界は、時折疲れた私達を休ませ、楽しませる力があります。でも、しかし…。 もし、現実の世界に戻りたくなくなる程、その世界に夢中になってしまったら…。 「隣にいる助けを求めている人よりも、空想の世界の『人々を助ける』物語に関心がある」という人が増えていくなら…。 いつしか空想や夢の世界も殺伐とした世界に変わり果ててしまうに違いありません。しょせん、その世界は現実を生きる人間なしでは存在できない世界なのです。 しかしながら空想や夢を描いた物語は世界に無数に存在するのに、その世界に没頭しすぎる危険について描いた物語はあまり見かけません。それで、『こういう漫画があってもいいんじゃないか?』というあせるような気持ちにかられ製作したのが、この作品。自分としては、公表するのは恥ずかしかったです。色々と未熟さも目立つので。でも、「一生懸命描いた」のは確かですし、世間に見せなければ意味の無い漫画でもあるので、Web上での作品公開に踏み切りました。(1998.12) そして公開後、様々な反響をいただきました。うれしかったです。しかしながら、見直すと色々とストーリーを微調整したくなりました。それで、数回、改訂を重ねました。特に大幅に改定したのは「健太を救う為の道具」とラストシーンです。 「健太を救う為の道具」は当初、「王の紋章」というアイテムが使われていました。しかし、作中ではそのアイテムの意味を語っていなかった為、とってつけたような印象になっていました。それで、もっとわかりやすい道具にしようと変更しました。 ラストシーンについては当初ハッピーエンドでした。しかし、ハッピーの比率が「夢の世界」を冒険したにしては大きすぎました。その後、悩んだ末アンハッピーエンドに改訂しました。そうすると、今度は報われなさすぎる為後味が 悪くなりました。そして…。 ハッピーでもアンハッピーでも無い終わり方は無いものか…。と考え込んで数年、ついにいい終わり方を思いつきました!結果的に、色んな事が想像出来、いい落とし具合になったと自負しております。我々は、自分の身近な事すら気がついていないこともあるのですよ。早まって絶望する前に、落ち着いて冷静になればまた違った人生も開けるかも…?という意味合いも込めていますが、くどい事は抜きにしてそれぞれで興味深く読んでいただけたら作者としては満足です。最後までお付き合い下さり、どうもありがとうございました!(2007.4) |